映画館・劇場で2回以上観たアニメ映画をリストアップした。

 2010年代くくりをやめてみた。

 

2回 

ちえりとチェリー

ペンギン・ハイウェイ

映画 HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリー

君の名は。

KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- 劇場編集版 I プロローグ×ユキノジョウ×タイガ

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

おおかみこどもの雨と雪

風立ちぬ 

かぐや姫の物語 

ベイマックス  

もののけ姫

LEGO ムービー

映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち 

心が叫びたがってるんだ。

コクリコ坂から

ベルヴィル・ランデブー

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語

おおかみこどもの雨と雪

映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花

東京ゴッドファーザーズ

 

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話数単位で選ぶ、2019年TVアニメ10選

 今年も参加。

 

『バビロン』2話「標的」

サザエさん』7935話「男の休日」

『グランベルム』6話「魔石」

『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』11話「一条シン SIN」

『スター☆トゥインクルプリキュア』43話「笑顔への想い☆テンジョウVSえれな!」

キラッとプリ☆チャン』77話 「ナゾのアイドル ついにデビュー!だもん!」

ブギーポップ』5話「VSイマジネーター2」

『ケムリクサ』11話

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』10話「こんにちは、太陽の女神」

ゲゲゲの鬼太郎』72話「妖怪いやみの色ボケ大作戦」

 

 

 

 

1『バビロン』2話 「標的」

脚本:坂本美南香 コンテ:富井ななせ 演出:富井ななせ  作画監督:久保光寿

 

ただただ圧巻。富井ななせ何者なんだと私も思った。 

 

2『サザエさん』7935話「男の休日」

脚本:中園勇也 コンテ:森田浩光 演出:森田浩光 作画監督:見蔭智史

男の休日と銘打ってやったことはカオスな自堕落生活だった。

ノリスケの遠慮なさが、相変わらず恐ろしい。

 

 

 

 

 

 

3『グランベルム』6話「魔石」

脚本:花田十輝 コンテ:高島大輔 演出:高島大輔 作画監督:北原大地

日笠陽子熱演、動の7話と迷ったがここは静の6話で。後半の仕掛けに痺れた。



4『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』11話「一条シン SIN」

脚本:青葉譲 コンテ:日歩冠星 演出:小林浩輔

作画監督:髙井里沙、鈴木理彩、オグロアキラ、前田綾

 

「おそろしいプリズムショー」をどう見せるかという驚きに満ちた一本。

天真爛漫な主人公シンが、別人となったかのようなショーをする、というジャック=フィニィの「盗まれた街」を思い出すような恐怖感。

劇場最速まで完全に伏せられていて、そのときのバルト9の雰囲気、戸惑いとショックは凄かった。推しの変貌に衝撃を受けて泣いている人も複数いて、「あぶねーもん作ってんじゃねーよ!」と思った。

TV放送時はなんとかしようと思い立ちツイートをしてみたが効果は薄かった(当然)

 こちらについては妙にバズるだけでなく「後ろにもいたんだ。また怖くなった」と完全に藪蛇で大いに反省したようなしないような。

 

 

5『スター☆トゥインクルプリキュア』43話「笑顔への想い☆テンジョウVSえれな!」

脚本:村山功 コンテ:土田豊 演出:土田豊 作画監督:稲上晃

 

東映のアレな演出家、土田豊が真摯なストーリーを彩った回。

 といはいうものの、期待するのは来年も8割がたこれであります。

 

 がんばれ、土田豊

 

6『キラッとプリ☆チャン』77話 「ナゾのアイドル ついにデビュー!だもん!」

脚本: 兵頭一歩 コンテ:高橋謙仁 演出:高橋謙仁

作画監督:Song Seung Taik、Song Hyun Ju、Kang Boo Young Jung Ji Moon

「バーチャルプリ☆チャンアイドル」だいあデビュー。佐々木李子の歌も熱い。

『プリチャン』1年目は動画配信というツールに対して、今一つ納得できない展開が多くてうーんと思うことが多かったが2年目は堂々たる話の運びでだいあがデビューまで、たっぷりと時間をかけたところが見事だった。

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ただ同じ話数でアレなギャグをぶっこんでくる破天荒さも健在。

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7『ブギーポップは笑わない』5話「すれちがう季節」

脚本:鈴木智尋 コンテ:川尻善昭 演出:又野弘道 作画監督:小山知洋

 明晰な画作り。

ただ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』もそうだが、なぜ今この作品をという思いは尽きない。色々の事情があることは想像できるが。一方で平成の終わるこの年にやっておいたことがよかったのかもと一瞬思うときもある。

8『ケムリクサ』11話

脚本:たつき コンテ:たつき 演出:たつき 作画:原田優、村田良典、富澤瞬

EDの入りが全て。

 

考察の盛り上がりといい、近年思うのはインタラクティブ性には欠けるアニメはこれからどうなっていくのかということだ。

 

9『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』10話「こんにちは、太陽の女神」

脚本:武井風太 コンテ:石井俊匡 演出:石井俊匡 作画監督山口智

 

明晰な画作り、緩急のある映像。

 

 10『ゲゲゲの鬼太郎』(第6シーズン)72話「妖怪いやみの色ボケ大作戦」

脚本:井上亜樹子 コンテ:地岡公俊 演出:野呂彩芳 作画監督:市川吉幸

珠玉のシリーズ鬼太郎6期から今年も選出。演出野呂さんの頑張りが放映当時から漏れ聞こえてきて、楽しく見られた一本だった。

 

新米小僧さんと完全にかぶってしまったが、合わせたわけではない。

shinmai.seesaa.net

今回で新米小僧さんが10選から離れるということで思い出話などを。

初めてお会いしたのはいつだったかといって結構はっきり覚えている。

アニメ評論家藤津亮太さんの主催する「アニメレビュー勉強会」の打ち上げで顔を合わせたはずで。

 もう7年になるのか。カラッと楽しそうに明るく笑う姿をよく覚えている。その後再会したときに「豆腐小僧さんですよね」とフルスイングで名前を間違えたのをよく覚えている。すんませんでした。

10選企画も最初はふーんと見ていて参加したのはここ数年と思っていたら今年でもう5年だ。ここ2、3年で昔新米さんが言っていた「人の記事を読むのが好きだ(大意)」という言葉の意味がわかってくるというか、書き手の人となりが見えてきて、文章やその作品について、前よりも興味をもてることが多くなった。

弊害もあったが。

 よくこんなん見つけてくるよなと思いました。すごい。

ただ、ガチで真剣に笑ってよいシーンではなかったので本当にお腹痛くて大変でした。

 

今年も色々あって、平々凡々と毎日をそれなりに楽しく、やはり平凡に生きたり大河ドラマに出たりしていました(唐突な自慢)。

 

今年は転職したり、劇場にかかる作品で素晴らしいものが多かったりとなかなかTVアニメに向き合うのが大変でしたが、10選がなければもっと遠ざかっていたろうと思うし、なんだかんだで人生に張りが出ていたような気がします。

 

叶わない夢、叶う夢。夢じゃないけど進む何か。

夢に向かって進む歳でもないかもだけど、来年もなんかそんな感じで過ごせたらいいなと思いました。新米さん、今度ご飯か飲みかやりましょう!お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

その後の真田丸(なつぞら編)

なつぞら真田丸っぽいシーンのまとめです。

 

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前置き

NHK朝の連続テレビ小説なつぞら」が佳境だ。

*1

自分はアニメーション一般に興味があるので 楽しみにしていたが放送前の特番を見て驚いた。

 

 三谷幸喜脚本の大河ドラマ真田丸」のまんまで草刈正雄が出ていた。私は真田丸も大変楽しく観たので、草刈正雄の芝居も楽しみにしていた。

 

一話から真田丸

 よく考えると別に真田丸関係ないが、真田丸クラスタの方々のRTやいいねを見て懐かしくなった。

その後もちょこちょこ真田丸

 学校に対する感覚が現在とだいぶ違うが、風貌も相まって真田丸に見える。

 

 北海道の農家だから馬車に乗っていても不自然ではないが若干信州に見える。

 

何人出てくるんだ編

草刈正雄以外にも真田丸関係者が続々出てきてようわからんことになる。

 

 

 

 

 

 高木さんはどちらかというと声優のご経験を踏まえてのキャスティングと思われるがまあ真田丸である。

 秀頼公役の中川大志さんも登場。将来なつの夫となるので真田家天下統一。

あと4枚目の端っこに哀川翔さんがいるが、娘さんの福地桃子さんがなつの義妹夕見子役で出演してるのでちょっと関係あるといえばある。

 

塙団右衛門参上

 

真田丸では終盤の脇役で小手伸也さん演じる塙団右衛門が登場したがなつぞらにも先輩アニメーター井戸原さんとして出演。本作では「小手る」とも言われる芝居が存分に楽しめる。

 

 

 

 

 

真田丸過ぎるあれこれ

もう完全に真田丸でしょみたいなものが多く、本筋ではないにも関わらず真田丸クラスタが盛り上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 特にオチもなく完!

 おまけ

秀逸なドラマ「きのう何食べた」から。

 

 

 

*1:内容については個人的にはやや残念だが、極めて面白い回があったり、作品作りの上で困難な状況が窺えたりもしたのでここでは省略。

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お勧め

 5000億点を出した宇多丸さんのラジオ番組の全文おこし(注釈詳細)。

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 作家高橋源一郎と片渕監督の熱のこもった対談。

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 思い入れのある記事。片渕須直監督、大林宣彦監督の戦争を題材にした二作品がある俳優を軸に交差する。

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考察・疑問(イベント質疑応答まとめ)

 

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私とこの世界の片隅に(映画製作以前から見守り続けた私的な記録)

 

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お暇な人向け(細かい考察と雑文)

 

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話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選その後。

というわけで、昨年も参加できた本企画を振り返る。

自分の上げた記事はこれ。

an-shida.hatenablog.com

10本を抜き出すとこれ。

HUGっと!プリキュア』』37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」

ゾンビランドサガ』』2話「I♡HIPHOP SAGA」

やがて君になる』6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話「どこかの星空の下で」 

レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜』15話「カトリーエイルとミステリーサークル」

サザエさん』7735話「わたしの天職」

ヤマノススメ サードシーズン』10話「すれちがう季節」

宇宙よりも遠い場所』12話「宇宙よりも遠い場所

僕のヒーローアカデミア』41話(三期3話)「洸汰くん」

ゲゲゲの鬼太郎』(第6シーズン)20話「妖花の記憶」

 

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話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選

 今年も参加。

 

HUGっと!プリキュア』』37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」

ゾンビランドサガ』』2話「I♡HIPHOP SAGA」

やがて君になる』6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話「どこかの星空の下で」 

レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜』15話「カトリーエイルとミステリーサークル」

サザエさん』7735話「わたしの天職」

ヤマノススメ サードシーズン』10話「すれちがう季節」

宇宙よりも遠い場所』12話「宇宙よりも遠い場所

僕のヒーローアカデミア』41話(三期3話)「洸汰くん」

ゲゲゲの鬼太郎』(第6シーズン)20話「妖花の記憶」

 

 

 

1『HUGっと!プリキュア』』37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」

脚本:村山功 コンテ:田中裕太 演出:田中裕太 作画監督青山充

This is タナカリオンといった感じの一本。コンセプトはTVシリーズプリキュアオールスターをやるというものだが田中裕太らしさが溢れている。

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作画も動かすところは動かすが、枚数を使わずに見せ方を工夫するとところがよく出ていた。

声なしのキャラを不自然に見えさせない工夫、しかも所作や技でそのキャラの個性を出している。それぞれの繰り出す技も過去作のオマージュではなく、設定と過去のエピソードを踏まえたもので、彼の中ではカメラが回っていなくてもキャラがずっと生きている。

圧巻は自身が監督を務めたプリンセスプリキュアの登場シーンだ。プリンセスプリキュアプリキュアオールスターの中でどんな立ち位置なのか示した作品は今まで一本もなかった。プリキュアのなかにあっても彼女たちはプリンセスなのだ。

きっと制約がいっぱいあった。その中でも面白い作品を作れる田中裕太は、真の意味で東映のマエストロだ。ありがとう。

 

2『ゾンビランドサガ』2話「I♡HIPHOP SAGA」

脚本:村越繁 コンテ:石田貴史 演出:石田貴史 作画監督大島美和、和田伸一、仁井学、二松真理、首藤武

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メディア芸術祭トークショー『この世界の片隅に』音声おこし

2018年6月23日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた文化庁メディア芸術祭内イベント「アニメーション部門大賞『この世界の片隅にトーク付上映」の音声おこしです。※適宜修正を加える予定です。

 

トークショー動画の音声を文章化したもので、文責は私「an-shida」です。

・読みやすいように語順の調整などをしています。また言い間違いだと私が判断したものについては注釈なしで直している箇所があります。

・公式の指示があったときは速やかに公開を停止します。

・もし公式の要請があれば本おこしを提供いたします。

 

 参照動画

 

文化庁メディア芸術祭この世界の片隅にトークショー
登壇者 吉田正夫(審査委員) 片渕須直(監督) のん(主演女優)

 

片渕 ここは東京国際映画祭でプレミア上映をやったところなので、すごく懐かしいですね。それから随分経ったんですけど、いまだに劇場で上映が続いていてありがたいなと思ってます。
吉田 アニメーションって基本的にはたくさんの人で作る作品だと思うんですけども。個々の作品を好きだから作るっていうところがあると思うんですね。ということは好きにならないといけないようなところがあると思うので、好きになるという意味では自分の分身を映画の中で描いてるように感じるところもあると思います。ということで考えると、のんさんにとってのすずさんて自分の分身として感じるとしたらどんな感じなのかな、ということと。キャラクターのかたちそのものが似てるようにも見えるので、キャラクターから入っていただいてもいいんですけど、性格的にとか、似てるところがあるなということをお聞きしたい。片渕さんの作品も似たような主人公が多いし、そこには片渕さんの分身的な要素が入ってると思うので、その辺どういう風にして、作品の世界、キャラクターの中に入り込んでいくのかというようなことを、ちょっとお聞きしてみたいと思うんですが。のんさんからいかがでしょうか。
のん えっ、と……。すずさん、私は役に取り組むときに、最初に自分との共通点を探してそこから広げていくっていう風に言ってるんですけど。そのときに見つけたのは、ぼうっとしてるって言われやすいとこだったりとか。
一同 (笑)。
のん 実は力強いところがあったり、おとぼけて見せたりとか、あたりが好きなところだったり。そういうところは自分と似てるかなって思いますね。

吉田 ありがとうございました片渕さんいかがでしょうか。
片渕 (マイク入っておらず)※※※※※。
一同 (笑)。
片渕 (笑)。(音声入る)それがね、言われるまでちょっと意外だったところがあるんですけど、言われてみると、やっぱりそれぞれの登場人物がどこで何を感じてっていうところでは、自分で一つ一つ納得しながらやってきたことではあるから、どっかで自分とおんなじように、同じシチュエーションなら同じように感じてるんだろうなって、改めて思うと思いますね。
吉田 メディア芸術祭の受賞式の時にタミヤ模型の社長と、片渕さん会話しててそこで面白いと言ったのは、そのメジャーで測るということを社長。が言っていたときに、片渕さんも「私もメジャーで測る」っていう風に言ってたんですよね。その辺もちょっと説明をしていただけると。
片渕 田宮俊作さんが功労賞を取られて、模型会社の社長さんで会長さんも兼ねてらっしゃって。でもすごい長いこと、60年やられたっておっしゃってたんですけど、模型を作るために実物があるところに海外とかで行くと、カメラとメジャーを持っていって、自分で測ってそれをこういうかたちなんだって把握して、持って帰って日本で模型に作り上げていくんだって、おっしゃってたんですね。そのことって、だいぶ前から読んでいたりもしたんですね。むしろアニメーションとかを志す前、中学生ぐらいの頃から、こういう風なことをやってらっしゃる方がいるんだなっていうのは存じ上げてたんですね。そういうことで言うと、いつの間にか自分もそんなことをやってるんだなっていうのですね。僕らがやってるのは飛行機とかのサイズを測るんじゃなくて、道端のドブの幅を測って、周作さんとすずさんの二人入れるのかとか(笑)。
一同 (笑)。
片渕 そういうのを計ってたりするんですけど。でも気がついてみるとそういう風に世の中と(接していて)。メジャーで測れるリアルさでもって、世の中と相対してるんだなって、改めて思いますね。

 


吉田 地続きなリアリティっていうのは片渕さんが作っていて、そういう中で独自のキャラクターが動いてるから、みんなに生きているように伝わるんだろうなっていう風に感じたわけですね。その機械少年みたいなところが、アニメーションの中で飛行機が出てきたり、戦艦が出てきたりするようなところに反映してるし。義理の父親が書類を焼いて、第二次世界大戦終わったという風にけじめをつけるという職工のようなところにね。そういう片渕さんの男性的なサイドが現れてきてるような感じがしましたけど、その辺はいかがでしょうか。
片渕 そうですね。男の方からするとやってることに引け目を感じたほうがいいなと思ったんですよね。同じ8月15日に火を焚いてる人たちがいて、一人は戦争の後始末をする、戦うための兵器を作った図面とかを焼いてるわけですよね。すずさんと径子さんたちの方はそうじゃなくって、その日の晩御飯作るために火を焚いてんだなと思ったら、それはこうの(史代)さんの原作にはなかったんですけど、すごくすずさんたちのやってることが納得できて。そういうものがその先の日々につながっていて、今日の我々の晩御飯につながってるんだなと本当に思いましたから。それはある種の憧れみたいなことなのかもしれないなと思うんですね。こういう風であるべきなんだなっていう気持ちじゃないかなと。
吉田 火を燃やすっていうことで自分にけじめをつけるっていうこともあるし、家庭の主婦とすれば火を使って家庭を支えなくちゃいけないってことですから、そういう意味の日々の生活を営んでいく苦労さは描かれていましたけど、そのへんは演じていて、のんさんどんな感じがしたんでしょうか。
のん そうですね。ええと、私はいままで、戦争がまさに起こっていたときの日本のことを、なんか漠然と怖いなと思って、見ないように避けてたところがあったんですけど。今回すずさんを演じることになって。ちゃんと向き合わないといけないなっていう気になって。想像したり、監督からお話聞いたりして、イメージしたりしていたんですけど。すずさん達が生活していたり、ご飯作って、美味しいご飯食べたり、美味しくないご飯食べて、ハッてがっかりしたりとか。
一同 (笑)。
のん そういう生活を追っていくと、親近感がわいて、より自分のことに引きつけて考えられるようになったっていうか。怖いっていうことじゃなくて、この人たちも同じ人間なんだっていう。何て言うんですかね、共感することによって、生活っていうのを感じて、自分の中で、そのときに感じてることだったりとか、見てるものだったりとかリアルに浮き上がってくる気がして、それがちょっと自分の中で不思議な感覚でした。

 


吉田 すずさんが結婚して、家庭の中に入って、日常生活を送っていく中で。日々の生活は淡々と送っているけれども、自らあんまり笑うことは最初はなかったような感じがするんですけど、あの自分のやっている不始末で、周りから笑われるっていうことはあっても。自分からそれを笑っていくっていう余裕が、まずはなかったような気がしますけど、その辺は何か感じることはありましたか。
のん 私は、ぼーっとしているっていうよりも、すずさんはずっと考え事をしてて、想像の中でいろんなものを面白がったりとか、していたりするんだろうなっていう風に解釈していて。なので自分ではそんなにおかしいことしてる気がしてないのかなっていう風に思ってました。
吉田 それは一人で自分の中に閉じこもってるっていうニュアンスが、ちょっと強くなってきてしまうと思うんですけど。家族の中での立ち位置を満たすためには、やっぱり家族との交流がないといけないので、そのときには交流が出そうになってくるのが、哲さんが来たときに、その納屋の二階かなんかで怒りをちょっとぶつけるところがあのやっと感情が出てきてるような瞬間なのかなっていう風に理解したんですけどそのへんは自分の感情の流れの中ではどんな感じなんでしょうか。
のん そうですね。それまでは気を張ってて、北條家で主婦をやってくために勤めてたと思うんですけど、哲さんとこに行っておいでって言われて、中ばおうちを追い出されて。……それで幼馴染と一緒に、時間を過ごすっていう風になったときに、なんかもう始めからそのときには既にすずさんの中で、思っている感情だったり、それまで気を張ってた部分だったりとか。気が緩んでパンとはじけたのかなっていう風に思ってます。
片渕 そこはどういう気持ちなのか、もっと説明してくれって(のんさんが)言ってきてましたね。あそこを演じるときね。
のん そうですね。なんか私の中ですずさんがあのときに哲さんに対しては「私はこういう日を待ちよったかもしれん」って言うのが意外で。そういう、こと言うんだすずさんも、っていう風に思って。旦那さんが周作さんがいるけど、なんかちょっと心が揺れ動いてるようなこと言うんだっていうのが、悩んでしまって。それで監督に問い質したんだと思うんですけど(笑)。
一同 (笑)。
片渕 僕も原作のこうの史代さんに聞いてたので「昔はあの二人は同い年で同級生で。すずさんは5月生まれで、哲君はきっと早生まれだから。小学校低学年ぐらいの頃は、哲のほうががチビだったんじゃないか」って話とか聞いて。だから本当にふたりは幼馴染でね、兄弟っていうと弟みたいだった時期があって、それが大きくなったんで戸惑ったんだけど、やっぱりなんかそういうような頃のことが生きて、心の中にまだあるんだなとか。そういうような関係として、思ってみたらどうかって、言ってみたんですよね。
のん それがすごい助けになって、だからあんな風にリラックスして、一緒に過ごしたりとか膝枕とかも。一緒にお布団入ってぬくぬくしたりとか、なんか家族みたいに思ってるからなんだなっていうのは、すごい納得できました。

 


吉田 映画の中で二人の男性が出てきて、片方は幼馴染だけど、幼馴染が支えているのが日常が平凡でいいんだということを、その外から支えてくれるっていう男性が哲で。そういう存在があるので家庭の中ですずさんが安心していられた。外の空間を安定の空間として哲君が支えてくれてて、さらに家庭の中で安定させてくれる人物が周作さんだと、そういう役割分担があるんだと思うんですよね。だから最後のときに、哲君の存在はわかったけど声をかけない。なぜならば普通の生活の中にいるからだ、そういうことだと思うんですよね。だからあそこであんまり深い関係はありえないじゃないかなって私は思ったんですけど。平凡っていうか普通の生活という意味の存在としては、哲君がいるんだろうなっていう感じなんですよね。そのへんどうですか片渕さん。


片渕 多分そうなんだろうなと思うんですよね。(すずさんは哲さんを)そんなに意識しないで生きてきて、急に嫁に来てもらいたいという人がいると言われて、初めて気になったりしたんだろうなと思うんですね。でもその人が自分の今の結婚した後のことを認めてくれたことは、すずさんにとって凄く大きかったんじゃないかなと思いますね。すずさんはひょっとしたらそこで苦労してるかもしれないっていうのは、哲が気にしてくれていたこともすごく心の拠り所になったかもしれないけど。周作とこういう結婚生活をしている、はじめは相手のことも知らないでお嫁に来た、そこの家の生活のことをこんなに認めてくれているっていう。そういう哲が居て呉れたのが、その後の彼女の気持ちはもうすぐ大きく支えたんだろうなって気がしますね。だからこそ、そのあと、周作と思いきり口げんかとかもできるんだろうなって。あのおかげで周作と家族になったんじゃないかな。
吉田 多分それまでその対話する関係を作れていなかったんですよね。すずさんは、ひとり自分の心の中に閉じこもって、絵を描いて自分と対話はできているけれども、その外にいる人と対話して何か決断していくということが、あまりなかったけど。あの哲さんと出会ったことで自分の感情に気づいて、怒りに気づいて、それを表出していいんだという風に気づいたっていう、その非常に劇的な瞬間だったように思うので、そこは素晴らしく見事に演じていたなっていう風に。そう言える立場じゃないんですけど(笑)、感じました。素晴らしかったと思います。いちばん最後の方で号泣するシーンがありますけど、先ほど打ち合わせした時に聞いたら、なかなか泣けなかったんだそうです。泣けなかったのを泣けるように工夫したらしいので、その辺の工夫の話を片渕さんに聞いてみたいと思います。
片渕 ここにガラスじゃなくて壁があってですね、マイクがあって録音してる側とミキシングしてる側が別の部屋だったんですね。僕ともう一人ミキサーの小原(吉男)さんという人がいて、どうも小原さんが「涙声になってねえな」って言うんですよね(笑)。どうすれば良いのかな、と思ったら、涙が本当に鼻に詰まってくるってことが大事だから、そうしないと。台詞回しはすごくできてるんだけど、その台詞に最後足らないのは、そういう音としての鼻が詰まってると、そういうことなんだというのが分かるんですよ。でもどうしたらいいのって言ったら「簡単ですよ」って言って、他の人全部のんさんいるところから出しましょうって言って、のんちゃん一人にして。そしてその後、電気切りましょうって言って真っ暗にしちゃったんですよね。そして「しばらくしたら鼻に涙が入ってきますから」と。本当にそうだったんで。でもそれはさっきのんちゃんに聞いたら、それはそういう風になったことで、すごく集中できたって言ってたんだ。
のん なんか、泣くもんじゃないと思ってて。声だけで、技術で表現するもんなんだって思ってたんですよね。だからなんか本当に、集中して涙を出してやってたら、「そうじゃねえんだよ」って言われるのかなって思ってて(笑)。
一同 (笑)。
のん 実写じゃないんだからって馬鹿にされるって思い込んでいて。本当に、やってやるんだとそれで自覚しました。
片渕 それまではマイクの前で動いたりして怒られたりしてましたからね。「マイクの外に出てまーす」と言われたり(笑)。あのときはすずさんの身体の状況とのんちゃんの身体の状況が一致していくということが、すごく大事なんですね。


吉田 そこでひとつお聞きしたいんですが、なぜ泣いちゃダメだと思ってたんですか。
のん あ、その多分。あの動いたりとかもダメだったり、声だけの……、あの、何ですかね。テクニックで感情を出さないといけないなっていう風に勝手に思ってたんですね。
片渕 指向性の強いガンマイクでね、口元狙って録音してたんですよ。のんちゃんは、始めはマイクの前で結構色々動けると思って、最初のときはTシャツ着てジーパンで「動ける格好で来ましたー!」って言ってたんだけど(笑)、「あの動かないでくださーい」って言われてダメだったりして(笑)。のんちゃんは、声で芝居とかキャラ、人物を作り上げていくって、どういうことなのかって、すごく立ち向かいながらやってたというのがあってね。今言われてるのは終戦のところなんで、かなり後の方で録ってるんですよね。3回目ぐらいの録音の時でしたかね。スケジュールとしては4日なんですけど、一ヶ月ぐらいの間に、4日間使って録っててその3回目ぐらいのところで、ここでいちばんきっと、いろんなすずさんを演じることについて、いろんなものがのんちゃんの方で、のって来てるだろうから、いちばん充実してるところでそれを録ろうと思っていたんですね。で、その3日目のたぶんいちばん最後なんかだったんじゃないかな。3回目のあとには間隔、休みがあるから、ここでどんななっちゃってもいいやと思って、その3日目のいちばん早く録ることにしたんですよね。だからのんちゃんがそういう風にやってたんだなって、今わかったけど。やっぱりそういう風に気負って、頑張ってたってのがすごいよくわかりました。

のん ガチガチだったのは間違いないです(笑)。
片渕 ガチガチというか、色々自分でも挑戦しながら、ずっとすずさんのことを挑戦しながら。声で芝居することを挑戦しながらすずさんを演じてたっていうことなんですね。
吉田 すずさんは、前半でハゲができちゃいましたけど、のんさんはそういうことはなかったんですよね(笑)。
のん (笑)。それは、なかったですね。あそこのシーン、すごくおもしろかった。
吉田 でも今の片渕さんの作劇法にのってるわけだから、かなりのストレスのように見えますけど。
のん でも、本当に暗闇になると集中できたので、すごくいい状況を作ってくださってありがたかったです。
吉田 あの号泣も素晴らしいと思いましたけど、ただそこで言ってることが「米とか豆とかでできてるんだ私は」と叫ぶところなんですけど。なかなかそこが普通だと理解しにくいかなという風に思うので、そのへんの解説をちょっと片渕さんにしてもらえると。
片渕 そうですね。原作では我々の方も暴力を振るったから、暴力を振るわれても仕方がなかったんだっていうのをね、終戦の日になって気がつくっていうことだったんですけど。気がついてみると、すずさんは普通でいてくれって言われた哲の約束を破っていたことに、あのときに気がついてるはずなんですよね。彼女が何が自分の暴力とまでは言わないにしても、何をしてしまっていたのだろうっていうことに気がつく。何にだったら気がつけるだろうかなと思ったときに、彼女は毎日何やってたかなと思うと、毎日家事をやっていた。家事の中にもすでにそういう要素が入っていて。配給されてくるお米のうちの何十パーセントかは、国産ではない、海外の植民地化した地域から持ってきたところものだったりしたしたわけですよね。それからお米が足りないからもらってくる大豆なんかもそういうもので、中国のほうから持ってきたものだったりしてるわけですよね。そういう歴史的な事実があるなと思って、それをそういう風なら、すずさんが気がつけるかなと思って、そういう台詞にしてみたんですね。でもそう思うのと同時に、そういう歴史的な経緯があったってことを映画観た方が気がついていって頂いて、そういうことも歴史的にはあったんだなっていうことなんかを、新しくご自身の中に蓄えていって頂けるとよいかなという気持ちもありましたね。
吉田 片渕監督の解説を深く心に刻まないといけないと思うんですが、我々のごく日常的にやってる振る舞いも、他の人に大きな影響を与えてあるかもしれないっていうことだと思うんですよね。そういうその影響関係っていうのは戦前戦中戦後にかけてずっと繋がっているというメッセージ。
声高に言うメッセージではないですけど、ごく日常の中で色々な繋がりがあるのだっていうことはやっぱり意識しなくてはいけないっていう風に言ってるように聞こえるんですね。それを支えてるのが、呉という街を完全に再現してしまって、具体的な空間の中に架空のすずさんというキャラクターを置いて、そこに生活させた。その生活感に我々がリアリティを感じて感動するんだと思うんですよね。そこが、そこまで作り上げたっていう監督の執念がすごいなっていう風に思います。それはやっぱり世界に例を見ないような作り方をしてたんだろうなと、私は思うので。ここにいる人たちもそういう意味では見ることに肥えてると思うので、それを世界に発信していってもらえるといいのかなって思ったりします。発信していくという作業がメディア芸術祭の一つも仕事でもあると思うので。観た人たちもためらわずにそういう発信していってもらえると嬉しいなと個人的には思います。歴史が繋がっているというような作り方が最後にあると思うんですがその辺は、のんさんとしてはどうなんでしょうか。今の現代人から見て、あの時代と今が繋がってるという実感は作品を通して得られているんでしょうかね。
のん そうですね。すずさんという人が、作品の中にいて、もしかしたら今も生きてるかもしれないっていう風に思える、というか。なんか、あの時代を生きた人がいるんだっていうのが、感じられて。その、時代があって、今があるってのは、この映画で本当に実感が湧いてきた感じはしますね。本当に今まであんまりそういうものでなかった、目を背けていた部分があったので。すごく、今回の作品でリアルに感じました。
吉田 どうもありがとうございます。片渕さんどうでしょうか。
片渕 あちこちで言ってることなんですけどね。広島で上映した時にその後お客さんで若い女性の方から、すずさんの喋り方がうちのおばあちゃんとそっくりでした。でもおばあちゃんの喋り方なんだけども、若い娘さんの声だった。それがうちのおばあちゃんにも若い頃があったんだって、あんな娘時代があったんだって、すごくよくわかりました。その瞬間のんちゃんの広島弁がどれぐらいきちんとしていたか、僕もよく分かりましたしね(笑)。僕、広島出身じゃないから本当にどれぐらい広島県が再現できてたかって、自分ではわかんないところもあったし。
のん ちょっと、昔の広島弁だったんですよね。
片渕 そうそう。のんちゃんも、そうは言われても分からない所がありながら、僕らは手探りでやってたんですけど。方言指導の栩野(幸知)さんとかがそこは一生懸命教えてくださってたんだけど。でもそこが達成できてたんだなと思うのと同時にね、のんちゃんの声の芝居を通じて、その方のおばあさんが本当に若かった頃から、今に時間が繋がったんだなっていうのがね、それが演技の力なんだなと思うとすごく感慨深かったんです。そのあとLINEか何かですぐ連絡はしたんですが(笑)。
のん 嬉しかったですね。
吉田 そういう風に世界に繋がっていってもらえると、この映画もすごく意味があることになると思います。どんどん広めていっていただければと思います。時間的にはこのぐらいだと思うので、最後になにか一言あれば、のんさんどうですか。
のん これから、長いバージョンも長尺バージョンも作られていくので、もっともっといろんな方々に観ていただけるチャンスかなと思ってます。今回の映画は見てくださっている方も、すごく強い気持ちで応援してくださるので、制作者の一員かなと勝手に思ってるので、ぜひ一緒に広めてください! よろしくお願いします。
吉田 監督からも。
片渕 長くするのは今一生懸命頑張ってます(笑)。それはそれで自分達として頑張らなきゃいけないところなんですけど、と同時にもう公開からほとんど600日近くずっとずっとたくさんの映画館で上映してくださってて。しかも今度7月から8月にかけては、たくさんのいろんな地方のいろんな映画館で上映されることになってくんですね。広島県内だけで4館以上なんですね。またそんな風にして『この世界の片隅に』がこの夏になったら、たくさんの方々のところに、行きたい。
映画のほうが行きたい。映画館の方々はその事を助けてくださるっていうことがやってまいります。今日ひょっとして初めてご覧になった方いらっしゃいます? (手が挙がる)いらっしゃいますね。そうです、だからそういう方がもっとこれからたくさん増えていくチャンスがこの先にありますのでどうかよろしくお願いします。それが我々にとっては嬉しいことですし、それと同時にやっぱりそれがあの映画っていうものは、そうやって映画館で支えられて、もう出来上がってる映画っていうのはまだまだ頑張っていけることになると思いますので、是非よろしくお願いします。7月から8月にかけて、僕らもちょっと色々頑張ったりすると思います。どっかに出没するかもしれません(笑)。またよろしくお願いします。
一同 拍手

 

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