話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選その後。

というわけで、昨年も参加できた本企画を振り返る。

自分の上げた記事はこれ。

an-shida.hatenablog.com

10本を抜き出すとこれ。

HUGっと!プリキュア』』37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」

ゾンビランドサガ』』2話「I♡HIPHOP SAGA」

やがて君になる』6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話「どこかの星空の下で」 

レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜』15話「カトリーエイルとミステリーサークル」

サザエさん』7735話「わたしの天職」

ヤマノススメ サードシーズン』10話「すれちがう季節」

宇宙よりも遠い場所』12話「宇宙よりも遠い場所

僕のヒーローアカデミア』41話(三期3話)「洸汰くん」

ゲゲゲの鬼太郎』(第6シーズン)20話「妖花の記憶」

 

 

新米小僧さんの集計はここに。

shinmai.seesaa.net

さて毎回独自色を出してというか見る目がないというかあまりメジャーなところに落ち着かないのが自分の選評だが、今回は比較的他の人と意見が合うことが多かった。自分が挙げてから他の人のを読むのが原則でやってるので、他人からの影響はあんまりないと思う(twitterなどは年間通して見ている)。

 

今回は、自分の選んだ話数の得票数を見ていきたいと思う。

今回新米小僧さん集計では61サイトなので延べで610本挙がっていることになる。こうして見るとすごいなあと感じます。

 

集計結果~自分のチョイスの得票数

機械的に出してもつまらないのでコメントを残しておく。

 

1本目

HUGっと!プリキュア』』37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」

→2票(12位)

『Hugプリ』はエピソードが粒ぞろいで、田中裕太さん演出回だけとっても合計で5票入るという充実ぶりであった。一番人気は渡邊功大さんの16話でこれは人気が集まるのも納得だったけど9票集まり5位につけるというのには驚いた。

 

2本目『ゾンビランドサガ』』2話「I♡HIPHOP SAGA」

→7票(7位)

 これも意外。『ゾンビランドサガ』自体の注目度が高く、これも結構驚いた。エピソードを見て他人の評価を探すことはあまりしないので、そこらへんの乖離に気づくのも面白い。映画だと一回見て考えて調べて、ぐらいが一つながりでできるけど、TVアニメだと一人がまとまった感想を挙げているのを探すまではなかなかできないのです、個人的に。

 

3本目『やがて君になる』6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

→12票(4位)

またしても得票数の多いことに。本作も他人の評価は気にならない種類のものだったので、探すことはしなかった。深い考察がいくつかあって、それらは興味深く読んだ。3本続けてみてメジャー作品を見ている人のブログみたいになったが、決してそんなことはなく、守備範囲は間違いなく狭い。

 

4本目『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話「どこかの星空の下で」 

→3票(11位)

5話(山田尚子回)が上に来るであろうことは予想できていたが未見だった10話の評価が高かったので観てみた。そのときの感想。

 

 

特に明記していないけど毎年京アニ作品は取り上げている。あとこの際だからこんな小さな記事の隅っこに書くけども、京アニ作品を褒めたことはほとんどない。山田尚子演出を除くと本当に数えるほどしかない。理由はいくつかあるけどどうしても批判みたいになってしまうので、あまり表立っては書かない。興味がある人はtwitterとかで訊いて下さればお話しますが、そんな奇特な人もおらんでしょう。

とにかく自分なりに考えがあって作品を観て、その感想を残している。

5本目『レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜』15話「カトリーエイルとミステリーサークル」

→1票( 位)

出来のよさを考えるともっと評判になってもいい気がするけどキッズアニメ枠兼プリキュアの裏番組というのはやっぱり大きいのかなあと思う。

 

6本目『サザエさん』7735話「わたしの天職」

→1票( 位)

 西尾西男さんと自分ぐらいしかサザエさん勢はいないし、そもそも毎週3話やってるので票が集まるのも難しいだろうなと思う。ただ時折雪室先生の少年少女の抒情は、児童文学のような風があって、そばに置いておきたいとよく思う。ホリカワの乱用で妙に騒ぎ立てられるのがアレだけども。ただどう見てもプライベートな家族の話題に、毎回無理やりホリカワを混ぜてくる雪室先生もどうかなあと思うが。

7本目『ヤマノススメ サードシーズン』10話「すれちがう季節」

→14票(2位)

これは当然のような、それでもこれだけ集まったことへの驚きのような。

私が見たいのは既存のアニメのようでいてそうではない、画に新しい意味がある、今まで観たことのないような画のアニメーションだ。止まっているはずの絵が動いて、人はそこに意味を感じとる。

 

現代は華やかなビジュアルのアニメ、バラエティ豊かな見た目のアニメがいっぱいある。でもふとアニメ黎明期のウィンザー・マッケイでも『白蛇伝』でも、それらを観ているときに、悲しいことに悔しいことに自分はそこから新しい表現を産み出すことはできないなと感じてしまう。でも「こんな絵も動かせるんじゃないか」「こんな風な動かし方もできるんじゃないか」というアニメーターの挑戦が今のアニメの豊穣を創り出しているはずだ。その瞬間に立ち会いたい。人間がアニメを作って、その進歩の一歩を感じとれるようでありたい。この時代に生きているんだから、そのごく小さな、でも大きな一瞬を味わいたい。だからちょこちょこでもアニメの工程を勉強したりもする。

 

アニメーター、アニメ演出家にも色々なタイプがいて、向き不向きがあるようだ。本作のちなさんは本人の志向はどうあれ、間違いなく一本の自立したフィルムが作れる作家だ。本人の興味ができればアニメにあり続けてほしいし、そうでないとしても私が彼の作品なり成果物を見られるような環境であってほしいと切に思う。

 

8本目『宇宙よりも遠い場所』12話「宇宙よりも遠い場所

→9票(5位)

この『よりもい』も珠玉のエピソード揃いで人気を見事に分け合っていて、多分作品ごとで数えると最多得票作品だと思う。自分も書いていてどのエピソードが人気になるか予想が難しかった。主人公の友情を扱った5話か後半の話数か。

もうちょっと一般性を獲得してほしいなとか思う。でも将来すべてが最適化されて、インターネット黎明期に言われたように「レコメンドで自分の好きな作品は全て自動で届くようになる」という世界になっても、僕はまだ見ぬ作品を探し続けるのだろうか。少なくとも今のレコメンドはまだまだだ。

なぜAmazonは執拗に『プロゴルファー猿』を勧めてきますか。ワイは猿やない。

 

9本目『僕のヒーローアカデミア』41話(三期3話)「洸汰くん」

→1票( 位)

『ベイビーアイラブユーだぜ』を貼るための戦略だったので致し方ない。

性懲りもなくまた貼る。ところで松本理と松本(理)は別の概念である。

松本理恵の音楽のつけ方は多分自分は何%かは理解できているつもりで、クラシックを自分がやっていたときの経験によるものだ。でも少しだけ説明がしづらい。彼女のコンテだけを引きついで、普通に作るとああはならないんだろうな、とは思う。

www.youtube.com

ところでロッテ創業70周年記念作品という本作だが発表は年末だった。BUMPのレコーディングらしき動画がインスタに上がったのが12/5。もしこれがそれに近い日付であったなら、仮の音源でアニメを作っていたのかということになる。

で、松本理恵の作風からして、仮の音源であれが作れるのか、とか色々疑問が湧いてくる。どういう工程で作られたのか、そしてそもそも発表予定はいつだったのか。ヒロインのマフラーが印象的だがその友人はそんなに厚着じゃないし、冷たいものを外で飲んでいる。他の人もそこそこ冬っぽいが「真冬」と言い切らなくてもいいような気もする。

仮にバレンタインに合わせて作ろうとしてずれこんだとしてもあの長さを2月→12月というのはちょっと流石におかしな変更だ。

謎は深まるばかりだ。少なくとも年に1回くらいはThis is 松本理恵って感じの作品を観たい。劇場作品なら2、3…………5年に一本くらい観られれば、なんとかありがたい(かなり頑張って妥協)。

頼むよ川村元気

 

10本目『ゲゲゲの鬼太郎』(第6シーズン)20話「妖花の記憶」

→2票(12位)

『鬼太郎』も極めて意欲的なエピソード揃いで面白さにあふれたシリーズで、上位には行かなかったものの、票がばらけていて、心に残るエピソードが多いと言える。