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ラジオ music is music この世界の片隅に特集

music is music 11/6(日) ラジオおこし

www.interfm.co.jp

 

(牧村) 音楽プロデューサー牧村憲一です。
(Aimee) Aimee Isobeです。
(牧村) 40回目のmusic is music。今日は特別編で11月12日に公開のアニメーション映画『この世界の片隅に』を特集します。
(Aimee) この世界の片隅にの主人公はすずさん。日本が戦争の中にあった頃、軍港の街広島の呉にお嫁にやってきた18歳のすずさんは見知らぬ土地で健気に毎日の生活を紡ぎます。映画では戦火にさらされ大切なものを失っても前向きな生活を続けるすずさんの日々を描きます。

 

(マスヤマ) 私とエンジニアの美島さんはmishmash*という音楽ユニットやってましてAimeeさんは今のフィーチャリングヴォーカル。そのミュージックビデオをこの映画の監督の片渕さんに作っていただいたことがあります。そしてそのご縁でこの映画も応援することになって、今では製作委員会のメンバーでもあります。先日Aimeeさんにも試写を見に行ってもらったんですが、率直に換装お伺いしたいですね。
(Aimee) あのですね、私はあんまり情報がなく行ったんです。もちろん予告編は見させていただきましたし。片渕さんの作品だということだけ、後は戦争ものということだけ。わたし達、家族に戦争体験した人がいない世代っていうのは、なかなか戦争時にどんな感じだったって考えたことも無いですし。戦争の映画とかは観ますよ。でもなんとなく戦争=悲しい、またはおきてはいけないこととしか捉えていなくて。この映画はですね、あまりにも普通の生活に戦争が起きてしまったっていう、本当に戦争が後からちょっと足されるぐらいな感じだったんですね。だからこそ普通の人たちが、私たちと同じ様なことをしている普通の人たちが、本当に頑張っているのに戦争が起こってしまうということが痛くて辛くて。悲しいっていうより本当に戦争に対しての意識ががらっと変わる作品でした。
(マスヤマ) 主人公のすずさんを演じるのは声優として初主演の女優のんさんです。今回は私が監督とのんさんにお話を伺ってきました。インタビューをお送りします。

 

(マスヤマ) Music is music今日は特別編としてこの世界の片隅にの監督の片渕さんとのんさんをお迎えしております。よろしくお願いします。
(のん) よろしくお願いします。
(片渕) よろしくおねがいします。

 

このインタビューの前日のんさんはこの映画のアニメ制作をした株式会社MAPPAのスタジオに見学に行っていたそうです。

 

(マスヤマ) まず記憶に新しいところで昨日の話から教えていただけますか。
(のん) あ…。はい。
(マスヤマ) MAPPAに行かれたんですよね。いかがでしたか。
(のん) すっごい面白かったです。『この世界の片隅に』がどうやって作られてるかっていうのを見せてくださって。
(マスヤマ) アニメのスタジオとかを見たのは初めてなんですか。
(のん) 初めてです。すごい緊張しました。資料とか。
(マスヤマ) 一部屋全部資料室になってますもね。
(のん) そうですね。積み上がってますね。これをお邪魔していいのかな、怖がりながらお邪魔しますっていうか。
(マスヤマ) インスタ見ましたけどものんさんの描いたキャラクターがアニメに。ワルイちゃんでしたっけ。
(のん) ワルイちゃん、動かしてくださって。
(マスヤマ) なかなかないですよねそういうことね。
(のん) そうですね。めっちゃくちゃ嬉しかったです。
(片渕) あれ動かしたアニメーターの北澤くんていうのがさっき「もうこないんでしょうか」と「のんロス状態」に(笑)。
(マスヤマ) 早(笑)。
(片渕) 「もうこないんでしょうか」としみじみすごい寂しそうにしてたね。
(のん) ああよかったです。なんかすごいお邪魔になったんじゃないかと思って。
(片渕) いやいや。もうちょっとしたらこっちもも少し時間が取れるんでちゃんと色を塗ってweb上とかで出せるようにちゃんとしたほうがいいかなと思って。
(マスヤマ) キャラクタービジネスを。
(片渕) うちの作画監督松原秀典さんも、ちょっと驚いてたんですけれど。あれのんさんが描いたアニメーションも本当に理屈が通っている。こういうふうに動かせば動いて見えるよっていう理に適った動きになっていて最初から4枚絵を描いてちゃんと動かしてるってすごいなって褒めてた。
(のん) 本当ですか。なんかカツラがぴょんと飛んで。
(片渕) でも飛ぶためには本人がジャンプしなければいけない。それが地面に起こったときにどんな風に体が縮んでとかすごいりりかなってた。
(のん) いや監督に褒めてもらえて。
(マスヤマ) 片渕さんに褒めらられたらホントですよね。
(片渕) 松原さんはこれ片渕さんか浦谷さんが手を入れたんですかって。いや入れてない入れないって言って
(のん) 嬉しい…。

 

映画この世界の片隅にの原作はこうの史代さんによる漫画です。のんさんに原作を初めて読んだ時の印象を伺いました。

 

(のん) あのすごく……、衝撃的でしたね。戦争というものに怖くてあまり目を向けてこなかったんですけど。初めて当時はこういう感じだったのかなっていうのに触れて、戦争がある中でも日々の暮らしっていうのを、絶対毎日していかなきゃいけなくてその生活が大切に描かれているのが感動しました。
(マスヤマ) なかなかありそうでないですもんね。衝撃的なシーンが描かれるようなことが多いので、なんかご飯の作り方がゆっくりでてくるとかそういうのはないですもんね。
(のん) 楽しかった、です。ご飯を作るシーンとかすずさんが一生懸命なんだけれどちょっとそれを楽しんでる風に見えてそれがすごく好きでした。

のんさんは原作を読んですぐにすずさんは自分で演じたいと強く思ったそうです。

(のん) はい。作品を読ませていただいた時に「私がやる」って勝手な思い入れを作ってきてしまってそれでやりたいですって勢いが。
(マスヤマ) 監督にチラッと伺ったのが今声優さん初めてですよね。
(片渕) 2回目なんですよね。主演は初めてです。
(マスヤマ) 結構声の出し方とかが最初苦労したって伺いましたけど。
(のん) そうですね。勝手に映像のイメージでこういう感じかなって思いすぎてたところもあったんですけれど、ちゃんと声優ってことをわかってなくて。リハーサルに臨んだんですけど全然ダメでした。
(片渕) 今までは画面の前に立ってたらそれでキャラクター表現になるじゃないですか、彼女は。でも何か言わないといけないんですよね。でも台本に書いてることだけ言っててもすずさんにならなくて。もう画面はできているけどすずさんがここで何回びっくりするかで「えっ、あっ、おっ」って全部言っていくことで、初めてすずさんになるんだとしたら、誰も書いてないところまで、全部映像の中のすずさんをいっぺん観察してきてもらわないといけないということだよね。
(マスヤマ) 監督、最初にテストを聞いたときはどんな印象でした。
(片渕) うーん、最初?(笑) 率直に言うと……。
(のん) めちゃめちゃ困ってる気がする。降ろされるって思って私。
(マスヤマ) ハハハハ。
(片渕) なんだっけな、普通に芝居してる時と違ってすごく強張ってるみたいな感じがあって。画面で自分が映ってて芝居をしてる時みたいなところまでペースを持っていてもらえばいいかなと思って。最初すごい緊張してマイクの前に立っているのがわかったので。
(のん) すごい、てもガチガチでした。
(片渕) そうそう。いちばん最初からだほぐしましょうって言って。なんだっけ北三陸っていうのから始めて。
(マスヤマ) (笑)。
(片渕) 「岩手県三陸市からやってきた海女のアキちゃんです」っていうのを言いながら体を動かしてというところから始めて。体動かしてほぐして、でも体を動かすとマイクから外れちゃうからダメって言われて(笑)。
(のん) そうなんですよねそれが。本当に1回目は降ろされるんじゃないかなとすごい怯えてて。
(片渕) あの時方言指導で俳優の栩野幸知さんていう人が最初に入ってたんですよ。栩野さんもあまちゃんファンなんですよ。
(のん) …おおぅ。
(片渕) 「あまちゃん」は欠かさず観てたのに今ブースの中一緒にいる人が「あまちゃん」やってたのんちゃんだって最後まで気づかなかったって言ってて。それぐらい最初強張ってたなと思う。でもそれがね、どんどんどんどんリラックスしてくるに従って、すずさんてふわふわっとして、ぼーっとしてる感じじゃないですか。そこまでたどり着いた時にやっぱりお願いしてよかったっていうか、ものすごく考えた通りのすずさんだったっていうね。
(のん) 監督にすごいいっぱい質問させていただいたんですけども。ぼーっとしてほやほやっとしてるけど気が強いんじゃないかなって思った時に、自分の中でフィットしたっていう感じがします。
(マスヤマ) 先日の初めての試写で、全体を見たのが初めてですよね。
(のん) はい。
(マスヤマ) いかがでしたかご自身では。僕なんかすごく率直に最初はのんさんの声なんだって、でも本当に最初の数分だけで、後はすーっとストーリーに入っていったのですごくブレンドしてたなっていう。この間監督にもお話ししたんですけども。
(片渕) そうそう。観てても顔が浮かんでこないんですよね。すずさんが普通に喋ってるみたいに聞こえる感じがする。
ああ、そう言っていただけると。
(マスヤマ) ご本人はいかがでした。
(のん) 私左隣にこうの史代さんがいて、そのまた向こうに監督が座ってらっしゃって。その横で観てて、最初からめっちゃ怖いって思いながら見てて。そしたら冷静でいられなかったのか、ここ大丈夫だったかなと思ったり、こうのさんが手を動かすだけでビクッてなったり。
(片渕) こうのさんハンカチを出して泣いたり笑ったりされてたんですよね。
(のん) そうなんですね。こうやって横を向いて確認するのもできないって思って。
(マスヤマ) 映画館ですからね。
(のん) 横の動いてる気配はわかっても、どう思ってるんだろうって。冷静になってからもう一回見たいって思いました。でもやっぱり映像がすごく、セリフがなくても涙が出てくるくらいすごいと思ったので自分の声が大丈夫かなと気になりましたが。

 

Music is music今日は特別編として『この世界の片隅に』片渕監督、主演の女優のんさんにお話を伺っています。ここで映画の主題歌をお送りします。コトリンゴで「悲しくてやりきれない」

 

(マスヤマ) その番組は音楽メインの番組「music is music」というなので音楽の話も伺いたいんですけど。この映画のテーマ曲。「悲しくてやりきれない」は、のんさんはもともとご存知でしたか。
(のん) 私今回の予告編で知りました。
(マスヤマ) どんな印象でした。
(のん) コトリンゴさんの声で聴いたのが初めてだったんですが、フレーズがもう悲しくてやりきれないというか。ずんって突き刺さるような、けどコトリンゴさんの声と音楽が、すごく映像の中の風景が直接心の中に流れ込んでくるような感じがしてそれがすごく。
(マスヤマ) この映画の話から離れてもいいんですけど、のんさんは普段はどういう音楽を聴いてらっしゃるんですか。昔の記事ですけどもwebなんかを見るとフレネシさんが好きとか。
(のん) フレネシさん、好きです。ライブに行ったりしてました。
(マスヤマ) あとは神聖かまってちゃんとか、そういうのが好きですか。
(のん) 最近は明るいポップなロックの方が好きになってきて。シンディ・ローパーとか、女の子が突き進むぞって感じの音楽が好きですね。
(マスヤマ) 今ギターはまだ弾いたりしてるんですか。
(のん) 弾いてます。今曲を作ってます。
(マスヤマ) すごい。それ聞きたいですね。
(のん) 素人ですが。どうやって作るんですか。
(片渕) 訊かれちゃった。
(マスヤマ) 人によって違いますけど僕の場合はギター弾きながら鼻歌的に作るし、僕が一緒にやってる人は結構理屈で作るし。人によりますよね。
(のん) なるほど。

 

ここで映画とは別にのんさんご自身が好きな楽曲を選んでもらいました。

(のん)ユニコーンさんで「WAO」。

 

(マスヤマ) music is music今日は特別編として『この世界の片隅に』を特集していますが、片渕監督はこの映画の構想を持たれたのは2010年。なんと6年前なんですね。その頃からずっと制作を続けられていて、今ようやく制作が終わってほっとされているのか、ものの作り手、クリエーターとしてまた何か作りたいと思っているのかその辺を伺ってみました。

(片渕) 前にこの世界の片隅にの制作日記的な連載コラムをwebでやってて「1300日の記録」ってつけてたんですよ。それは『この世界の片隅に』やりましょうって提案した時から数えてたんですけど1300日で全然終わらなくてさっき数えたら2300日で公開まで行くという感じで。
(マスヤマ) (笑)。
(片渕) 2200日過ぎてからのんちゃんが現れたりとかしてるんですよね。最後のほうは全然他のこと考えられないし、取材とか映画のポスターだって全然考えられなくて、ひたすら仕事場来て夜中まで居て帰ってすぐ寝るみたいな。
(マスヤマ) 季節感が無くなってたっておっしゃってましたよね。
(片渕) だから今年夏服出してないんですよ。
(マスヤマ) これは初めて聞きました。
(片渕) だからこれはアマゾンで買った。だから去年の大掃除してないの。
(のん) そうなんですね。
(片渕) うちは夫婦で監督と監督補なのでどうしようもなくて。家に犬と猫がいるんですけれど家が野生状態になってて人がいないで犬猫だけがソファー分解してたりしてて大変だった。
(マスヤマ) 犬猫うれしかったかもしれないですけどね(笑)。
(のん) 解放され。
(片渕) 解放されて(笑)。

 

この世界の片隅に』エンディング曲をお聴きください。コトリンゴ「たんぽぽ」。

 

映画『この世界の片隅に』主演女優のんさんと監督片渕さんに一言お願いしました。

 

(のん) 『この世界の片隅に』11月12日…、公開ですね。普通の生活というものが素晴らしいと感動する映画だと思いますので皆さん是非見てください。
(片渕) 『この世界の片隅に』は戦争中の映画なんですけどね、多分そんな意識でなくて見てもらえるとよい映画になってるんじゃないかなと思いますよね。なんか普通にいる人が普通にいるだけっていうところから始まって、自分たちもこんな子供時代過ごしたなっていう、でもちょっと昔風の風景だなっていうだけで。それがその普通がどんどん大変なことになっていたりするんだけど、それも僕らがちょっとこの前に震災とかで味わったようなことと、そういうのとお話が重なって見えたりするところとかあるんですよね。
昔のことだとか戦争のことだとか思わないで観てもらって大丈夫な映画になってると思うんですけども。ただそれはそれなりに押し寄せてくるものは凄まじいと思います。戦争というものがこんな風に頭の上に来ちゃうのかっていうのは自分でも作ってて怖くなっちゃって、という感じがありますよね。
(マスヤマ) うん、うん。ありますよね。
(片渕) 今まで戦争、戦時中ってこんな風だったっていうイメージとはちょっと違う風にして捉えてみていただくことができるんじゃないかなと思ってます。
(マスヤマ) わかりました。今日はじゃあのんさん、片渕さん、ありがとうざいました。
(のん) ありがとうございました。
(片渕) ありがとうございました。


(牧村) 今日のインタビュー聞いててどうでした?
(Aimee) 監督と私も一度お仕事してもらったことあるんですけど、すごく熱が……、あったかいものを込めてこの映画を作ったんだなって思いますし、のんさんの貴重な感想が聞けてとても楽しかったです。
(牧村)はい。今日は映画『この世界の片隅に』の特集でした。牧村健一でした。
(Aimee) Aimee Isobeでした。

 

 

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