「この世界の片隅に」と歩いてきた私~2013年

 

 

1.前回までのあらすじ

an-shida.hatenablog.com

大好きなマンガ「この世界の片隅に」が、これまた大好きな映画『マイマイ新子と千年の魔法』の監督片渕素直さんが作る! 決まったはいいがなかなか情報が出てこないまま2012年は終わった。そしてアニメスタイルイベントが立ち上がった2013年に。

2.2013年 上半期なかなか動かない。

朝日新聞宮部みゆきの小説にこうの史代が挿絵を担当。

 

 もう3月であるが、なかなか情報は出てこない。*1

3.監督突然岩手に行く。脱線して「あまちゃん」とのんさんの話。

2016年10月の現状にあるような「クラウドファンディング大成功」「のん(本名:能年玲奈)声優初主演」「試写会満席&大絶賛」などというようなことを全部予想できた人は多分世界に一人もいなかった(試写会満席&大絶賛は予想できていたが、あまちゃんの人が主役やるなんて夢物語すぎてちょっと信じられる状況ではなかった)。

連載の中で急に「あまちゃん」編が始まるのだけど、正直これはちょっとやそっとでは映画はできあがらないぞという気持ちになった。

全体の流れで見るとここに「あまちゃん」の話が出てくるのは必然に見えるのだが、当時はまだまだ道半ばという感じだった。「全く関係ない話に」*2脱線するぐらいまだまだ映画製作は序盤なんだなあと感じていた。

それがここで見たことや、縁が映画を完成させる原動力になるのだから、これもまた面白い。面白いが当事者としては遥か遠い道が見えていて、その終わりは霧のむこうだ。

2013年12月23日 アニメスタイルイベント開催 これは果たして完成するのか

 

新宿ロフトプラスワンで第一回が開催されている。今のアニスタイベントは阿佐ヶ谷がメインなのでこれまた隔世の感がある。

当時、コラムで語られていたことは、みなさんご存知のとおりの「徹底的に調べて、当時の世界をよみがえらせる」ことだったが、正直自分にはその全貌は見えていなくて、せいぜい「すごく本気で作ってくれている。幸せだ」ぐらいの感覚だった。だからイベントがあんな感じになるとも予想していなかった。

 

始まる前のほのぼの感。まるで2014年に映画ができると思っているぐらいののんびり具合である。

当日。知らないということは幸せでもある。

 

それでイベントの内容はこんな感じ。

 淡々と書いているが、文字通りイベント丸々やったけれど江波山が海苔が当時の海岸線が服装がという話でほぼ終わってしまい、これは大変なことになってしまったということを覚えている。映画のほんの冒頭のことがまだ調べ終わらない。原作もまだまだいっぱいある。どうするんだという気持ちだった。

 

この世界の片隅に」の隅々まで語るイベントだと思っていた自分。

当時の自分に電話できるなら「いや夕凪どころか上巻だけでいいよ」と言ってやりたい。当日「この世界」上中下巻、「夕凪」、さらに日常の家事やらの話題が出ると思い念のため 「さんさん録」まで持って行った。空振りもいいところである。

ところでこの日は北條サン役の新谷真弓さんもご来場されていた。

勿論この時点ではキャストは決まってないはず

新谷さんにとっても長い長い道だったのだ。 

 広島弁の台詞どころか、方言参考として全台詞を吹き込むことになるのも、すごい話だ。

 3.どうも思ったよりもできるのに時間がかかりそうだ

 とにかく本気だったのは分かった。でもそれでもまだ「きちんと時代考証するのは大事よね」ぐらいの気持ちだった。やはり自分は冴えん。わかってなかったのである。

イベント当日の自分。

 今振り返ると、まだまだよそのできごととして捉えているのがわかって面白い。今の自分だと広島がすごく身近で愛着があって、こういう書き方をしないと思うのです。

というわけで2014年がやってくる。

続きます。

『この世界の片隅に』と私 動き始めた2014年 - an-shidaの日記

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*1:前の記事にも書いているが片渕監督のtwitterをこの頃は追いかけていない。当時自分はそこまでフォローを増やして幅広く情報を取り入れるスタイルではなかった。それでも時折読んではいたと思うが断片的で映画や作品世界の全体をうかがいしることはなかったと思う

*2:当時、本当に何も関係なかった。少なくとも表面的には