話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選(画像は後で貼る)

集計をしてくださっている新米小僧さんに誘われて初参加をしてみることにしました。

できるだけ1本単独で見ても面白いのがいいかなあと思って選んだ。

 

Go!プリンセスプリキュア 1話 「私がプリンセス? キュアフローラ誕生!」

脚本田中仁 コンテ演出田中裕太

待ちに待った田中裕太SD。熱くなっていたのでへんてこなエントリも書いたものだった。書いてる途中で満足して演出の魅力をちゃんと語ってなかったのでちょこちょこ手をいれたり。・

さて1話だけどもAパートで学園の中を紹介しながら歩き、不思議な生き物(マスコット)と出合う。Bパート、外で戦うことによって「1年間の舞台」をきちっと示したところに田中裕太らしさを感じた。簡潔に世界を見せている。プリキュアになる前の二人とはすれ違うだけ、七瀬ゆいという傍観者を置いたところも印象に残った。

ただセールス的にはあまりよくないという話も聞いて残念に思う。カードゲームなどインタラクティブなものが流行ってきてもいるし、逆風もあるかとは思う。作品そのものは楽しい話数も多く、見どころが多いと感じている 。

あえて言うなら今「プリンセス」という題材と、田中監督のライダー的おもちゃ心が女の子にどれだけ響くのかということは感じた。個人的は『プリキュア』シリーズそろそろ終わってもいいのかなという気持ちになっている。そんな1年でもあった。

 

ディスク・ウォーズ・アベンジャーズ
第45話 ヒーロー分断のワナ 脚本坪田文 コンテ古賀豪 宍戸望

古賀豪らしい「むちゃくちゃ感」が溢れてた1本。天丼天丼また天丼のコント的パワーバトル。キーとなる人物の素顔を見てはいけない!と悲痛にアイアンマンが叫ぶがその人物はピラミッドの上に思いっきりいて「普通に見えちゃうだろ」と突っ込みたいけど熱くシリアスにドラマが進み、全員の視線がピラミッドの上に集中するところなどケレン味たっぷり。東映系では田中裕太のおもちゃ心、大塚隆史の熱血少年心、古賀豪の勢い心などが楽しめた1年だった。

 

 

すべてがFになる
第九章 黄色の死角 脚本渡辺雄介 コンテ演出黒木美幸

画面の見せ方、空間の扱い、整理とカットカットが大変興味深い。何より解答編の前の盛り上がりが肌で実感できた。

 

干妹!うまるちゃん10話 「うまると今と昔々」脚本杉原研二 コンテ山崎みつえ太田雅彦 演出野木森達哉

わりとのんびり観ていた本作の中でも記憶に残った。特にテーマ「兄と妹の絆」がどのエピソードからも感じられ、統一感の感じられる一本になっていた。随所でちびキャラの可愛さも目立っていた。

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6話のこのシーン、夜のコンビニからの帰り道、静かに時間が流れながら、うまるの頭身が変わっていくのも詩的で好きだったが、話数としての統一感からこちらを選んだ。

 

ローリング・ガールズ 8話雨上がり コンテ 平川哲生江原康之 演出朝見松雄金森陽子

楽しく観たシリーズ。ただ楽しいことに満ちていそうで、面白くなりそうなりそうと思っていたらそのまま爆発せずに終わってしまった印象。「リンダ・リンダ・リンダ」×ロードムービーみたいな企画だったのかしらと勝手に考えていた。でも「リンダ」の魅力であるところの気だるさそしてリアルに女の子的ワイワイ感が加わって愛らしくなっていた。ブルーハーツがエンジンになってさらに熱くなるかと思ったけど全体を通して見るとやはり爆発せずに終わってしまったように見えた。

この8話については観終わったあとの爽快感があって、これ1本だけ単独で見たくなるくらい気持ちよかった。監督の出合さんについてはイシグロキョウヘイ監督が折々でちょいちょい名前を出しているので気になるところではある。


プラスティック・メモリーズ8話知らない花火
脚本林直孝 コンテ演出山崎みつえ

1話から観続けていて、テーマの取り扱いが落ち着かないなあと思いながら出くわした本話数。「いずれ記憶を失う」「アンドロイドと人の恋」という元々のテーマはさておいて、力の限りラブコメをやった回。それ故テーマ的にはこれ以上ないぐらい停滞しているが、楽しいドタバタラブコメは初見でもきっと楽しめる、はず。

響け!ユーフォニアム 13話さよならコンクール 
脚本花田十輝 コンテ山田尚子 演出河浪栄作 

5話、8話、12話とどれも迷ったのだけれど吹奏楽、オーケストラ経験者としてBパート。トランペットのソロ周りの画作りでハッとさせられた。ドラマとして関係する人物をその箇所で映す、そこに強いショックを受けた。

個人的な経験になるのだけども、コンサートのビデオというのはプロアマ含めてたくさん観てきている。ただ、生に勝るものは基本的にはないし(新演出の個性の強いオペラはともかく)正直、奏者を映されても自分の楽器でも演奏技術の勉強くらいしか出てこない。「指揮者の動作とそれによってどのような音が、音楽が出てくるか」が演奏のメインであって、奏者をかわりばんこに映してもあんまり面白くないよなあという考えがあって、Bパートもその前提で見てしまっていた(それぐらい画面作りが本当っぽかったということでもある)。現実でオケの動画見てても各奏者に思い入れしてみることはそんなになかったというのもある。

ところがキャラに思い入れがあるとこんなに違うのかというぐらい楽しんで観ている自分がいた。そこに加えてドラマが出てこないと思い込んでいたところに、ドラマが出てきて強い印象を残した。アニメの文脈でいうと当たり前でも、自分の経験からすると、意外な展開で、嬉しいサプライズになった。

 

 

SHIROBAKO23話 続・ちゃぶ台返し 脚本吉田玲子 コンテ 許琮 菅沼芙実彦 演出 倉川英揚 太田知章

半年楽しんだシリーズ。凄く気持ちを込めて観てたし、2chや実況系の感想は意図的に見ないようにしていた。「自分とアニメとSHIROBAKO」の中だけでゆっくりと向き合いたかった。最後の泣くシーンがやはり心に残ったので。

 血界戦線

 4話「BLOOD LINE FEVOR」脚本 古田和尚 コンテ 松本理恵

映画「花の都」でハートキャッチされた身としては心待ちにした本シリーズ。京騒戯画は楽しく観たものの正直「もう東映でできることあるんかなあ」と感じてしまい、ちょっと不安な気持ちになっていた。東映を出て、まずは商業的にも成功したようでホッと一安心。

レオとホワイト、ブラックの話でシリーズは貫かれていて、一本というとかなり迷ったが娯楽作の様式をきちんと建てたこの話数が印象に残った。ホワイトブラックの話で作家性を見せるだけでなく、1話完結のスタイルを強靭に示したように見えた一作。

 

スタミュ 第1幕 脚本ハラダサヤカ コンテ後藤圭二 演出多田俊介

なんか書いてたら異様に長くなったので別記事建てようと思う。

ミュージカル。場面転換や歌の導入で「自然に」なるようにするのが普通だと思っていたら、そのままぶちこんできた。その意外性とギャップが異様に笑えて、愛らしく、かつ感動した。そんな作品でした。大好きです。

もう少しだけ。芝居のなかに歌が入る。それも人物が歌いだすとやはり不自然さや違和感が出る。その違和感をドラマとして最大限有効活用してしまうという試みがシリーズとおして成功していた。

1話では、Aパートの登校シーンで華桜会という5人のスターが歌とダンスを見せるのだけど、1人は稽古場にいるので場所が離れていて、しかもソロパートもある。ダンスも5人いることを前提とした振付で、広場の観客は稽古場の様子は分からない。視聴者だけが把握できる。でもそれでいいとした。Bパートでは突然メルヘンチックな服装に着替えてやはり急に歌い出す主人公星谷。詳しくは別エントリで書くが、ここでリアリティのラインをびーーっと力強く引いてしまった。

 

シリーズ通して「急に歌が始まること」が「キャラを立てたり、ドラマを補強する」ことと結びついて、感銘を受けた(あとで必ず書こうと思う)。

 

 

番外(数えたら11本あったので自動的に選外。恐ろしい)

キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎
8話クッキングパパにあやかって人気者への道

トランスフォーマークッキングパパが出てきた話。クッキングパパ玄田哲章でありながら同時に、過去に演じたコンボイの属性も残しているので、ゲストに対し緊張感があり、生々しかった。

因みに本シリーズで細谷佳正のアドリブ、わたわたぶりが強烈なインパクトを残し他作品、特に『心が叫びたがってるんだ』『鉄血のオルフェンズ』の鑑賞時にフラッシュバックして大変困りました。『ここさけ』に至っては細谷さんはコワモテ生徒でありながら担任が敵方の親玉である藤原さんであったり正直クラクラした。

選にもれた候補としては(取り急ぎ挙げてるので抜けがめっちゃ多い)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?』1話の松岡主人公の芝居と、ちゃんとファンタジーをやろうとしていることが伺えたことが興味深かった。例の紐については初見時全然気にならなくて自分は種族が違うのだという思いを強く感じた。

『ユーフォ』5話、12話。三好一郎の作るものがこんなに面白いのかと実感できた。

京アニ内で信頼と尊敬を得ているのは読んでいたが、あまり作品に触れる機会がなかったため、これもまたよい経験だった。13話Bパートは演奏についてひとつ表現を切り開いたと感じたのでそちらを推した。

うたプリ』毎回笑ってみてたのだけど、シリーズものというところと、『スタミュ』の様式感が整っていたのでそちらに統合みたいな感じ。

おそ松さん』『鉄血のオルフェンズ』なども楽しく見ているが途中ということと1本これ!というところで落選。

進撃!巨人中学校』進撃本編観てないのにこれは楽しい。大塚隆史回の中学生男子的熱さとかが懐かし楽しかった。ロック・リー伝説はこのためにあったのだと言っても過言ではないかもしれない。

ポメラちゃん』とくに理由もなく落選。「ちょぽらう にょぽみ」であることを知った2015年であった。

食戟のソーマ』役者さんの熱演と過剰なまでの食べ物の見せ方が記憶に残った。

ワカコ酒』クレソン食べれません……。