「聲の形」竹内先生が好きだ、という話。

 

アニメ映画にもなったマンガ「聲の形」の竹内先生が好きだ。好きだというとちょっと言い過ぎかもしれないが、彼の屈折、鬱屈、環境を考えると「ただの悪役」で片づけられない。自分はそこに心を惹かれるもの、考えずにはいられないようなところがある。

 

この記事では、竹内先生の立場から物語を見つめることで、彼について考えてみたい。

ちなみにアニメ映画では、かなり出番が減っている。ここでいうのは主にマンガの竹内先生についてである。ただしアニメでも基本的な性格は変わっていない。

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あいすくりいむの話~または誰かの見た夢

※映画「この世界の片隅に」のネタバレ・根幹に触れています。気になる方はご注意お願いいたします。

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劇中に「あいすくりいむ」が出てくる場面がある。

朝日町に迷い込んだすずさんが遊女リンさんと出会い、甘いものの絵を頼まれるが、すずさんには「あいすくりいむ」がなんなのか分からない。

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ここには物語の秘密と矛盾がある。

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江波山登山に映画が加えたもの~憧れのお姉ちゃん

※この記事の続きです。周作さんたちが道に迷って江波山に登ったのがどれだけゆかいなことか、地図を見ながら説明する記事です。またすずさんが大人になることをためらう表現についてもふれました。

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映画で拡大されたシーン

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この小さな一コマが映画では大きく引き伸ばされていることは上の記事で述べた。

江波の町中を描くとともに、「すずさんが着物をかぶったまま道案内して近所の人に目撃されてしまう」というコメディを一味足しているという話だ。原作のこのコマだとあくまで「珍奇」に思うのは北條親子だけのところを、膨らませている。

登場回数の多くない江波の町を描く必然でもあるし、ゆかいな味わいが足されていて、見事な改変だと思う。

 

だが、台詞を聞くとさらに付け足しがある。

円太郎さん(周作さんのお父さん)「親切な水兵さんに教えてもらったんじゃが……」(聴き取りは正確でない可能性があります)

この水兵さんとは、水原哲さんだろう。

 

すずさんの幼ななじみ、哲さんは実家に帰省していて、すずさんが求婚者を彼と間違うシーンが直前にある。

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二人は両想いと言っていいだろう。お互いに惹かれあっている。

ここで疑問だ。

 

何故迷った?

映画の北條親子は道に迷ってから哲さん(親切な水兵さん)に道を教えてもらっている。だが原作と同じように迷い迷って遂には江波山に登ってしまう。

なぜか?

1.北條親子はものすごい方向音痴なのでちょっとやそっと教わったぐらいでは目的地にたどり着けないから

2.すずさんに思いを寄せる哲さんは嫉妬の情が芽生え、つい嘘を教えてしまう

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すずさんは間諜になれません…あるいは周作さん江波山登山の謎

この世界の片隅に」の序盤、昭和18年12月。北條周作さん(と父円太郎さん)は、浦野すずさんを探しに呉から広島の江波までやってくる。

この場面の愉快さ、面白さについて、ちょっと書いてみたい。

※作品の内容、展開についてふれています。

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作画がわからない。

冬コミで「村上修一郎演出修正集」を読んだ。

衝撃を受けた。

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村上さんことunkoerさんは自分とは天と地ほどの作画認識能力を有していて、私の問題意識などすっ飛ばしてアニメスタイルの仕事をしていると思っていた。

だがこの同人誌を読んで、びっくりするぐらい「ああこれは私の為の本だ」と思ってしまった。

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話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選

 

話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選

魔法つかいプリキュア!』22話「芽生える新たな伝説!キュアフェリーチェ誕生!」

Go!プリンセスプリキュア』50話「はるかなる夢へ!Go!プリンセスプリキュア!」

灰と幻想のグリムガル』2話「見習い義勇兵の長い一日」

モブサイコ100』8話「兄ペコ 〜破壊意思〜」

『響けユーフォニアム』9話「ひびけ!ユーフォニアム

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2016年この世界の片隅に10選

ルール

・2016年1月1日~12月31日までに上映された『この世界の片隅に』から選定。
・1上映回につき上限1回の選定(意味不明)。
・順位は付けない。

 ※特に面白味のない覚書のような記事です。

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