「箸の芝居が全員違うのは何故?」「アニメスタイルイベント ここまで調べた『この世界の片隅に』 その調査・考証の全て!?」

前置きと経緯

この記事の続きです。

 

注意(再掲)

※これは音声おこしではありません。現地での質問・回答をわかりやすく自分なりに噛み砕いたもので、文責はすべて私にあります。また公式関係者より削除の指示があった場合は速やかに対応致します。

 

 二問目(ニコ生02:48:00くらいから)キャラクターデザイン・作画監督松原秀典さんへの質問

 

楠公飯を食べるシーンでは円太郎さん、サンさん、周作さん、すずさんの四人ともが、茶碗を持ち箸を構える所作が違います。原作にはない芝居です。他の場面にも、そういう部分がたくさんあります。

どのようなお考えで作画されたのでしょうか。

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「コージュンって何ですか」片渕監督への質問「アニメスタイルイベント ここまで調べた『この世界の片隅に』 その調査・考証の全て!?」

前置きと経緯

12月11日(日)、東京の阿佐ヶ谷ロフトで「第125回アニメスタイルイベントここまで調べた『この世界の片隅に』 その調査・考証の全て!?」が行われました。

※12/18頃まではタイムシフトで観られるようです。大変内容も濃く、他では聞けない、まだ出ていない話も多いのでちょっとマニアックかもしれませんが観る価値あり!と思います。

 

私も参加して、質問を二つさせて頂きました。ただ少し言葉足らずなところもあったのでここに書くことにしました。

注意

※これは音声おこしではありません。現地での質問・回答をわかりやすく自分なりに噛み砕いたもので、文責はすべて私にあります。また公式関係者より削除の指示があった場合は速やかに対応致します。

 一問目(ニコ生53:50くらいから)

Qカット767の晴美さんの「青葉いうたら重巡洋艦ですね」という台詞がコンテでは「一等巡洋艦ですね」、本編では「コウジュン(甲種巡洋艦、略して甲巡)ですね」となっていますが、どういう意図で変遷していったのでしょうか。

 

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決定!真田丸マイツイートベスト5

前置き

NHK大河ドラマ真田丸が最終回を控えている。

1年間実に楽しく見た。そこそこの歴史ファンとしても、何より子供の頃からの長い三谷幸喜ファンとしても実に面白かった。

さらにBSで6時からやる、いわゆる「早丸」も合わせて楽しんで、二回観るんだからと、8時からの本放送に合わせてtwitter実況をほぼ一年やってみた。といっても歴史的な知識を披露するでも深い考察を素早く出せるわけでもないので、画像芸人としての「にぎやかし」に終始した。

ぼんやりと、ふだん時代劇を見ないけど真田丸と相性がいい人に届いたらいいなあと考えていたかもしれない。考えてなかったかもしれない。

内容

真田丸関係のツイートでリツイート、ファボが多かったものをランキングにしました。単純に両方を合わせた数が多い方が上。簡単な説明を書いてますが、説明を書かないとどういう場面だかわかんないぐらいふざけたツイートばっかりです。

 

5位

 もうすでにしょうもなくて泣ける。第40話「幸村」より。長澤まさみ演じる「きり」が堺雅人演じる信繁に意見をするが、冷ややかな返し。

ところで実際のクソリプは「いい事言ってやった」感があんまりないと思う。

 

4位

 第23回「攻略」。秀吉が北条氏を今正に滅ぼそうとするときの台詞。やおい研究家として有名な金田淳子先生にリツイートされるという大変恥ずかしい目に遭う。

ちなみに右上のウォーターマーク(放送局のロゴ)がBSのものは早丸を見て考えて準備したものでNHKのものは大体本放送観ててひらめいてツイートしているやつです。

 

3位

 第48回「引鉄」の最後の次回予告から。最初は現代的な視点で周りを乱すきりが、違う視点からの新鮮な意見を言うキャラになるかと思ったら、わりと最後の方までうざい感じが続いていた。

ともあれ、ずっと信繁を想い続ける姿はファンに愛されていたようで、気軽にツイートしたものの、しんみりした感想を呟かれる方が多くて、自分も襟を正しました。

まともなツイートがあってほっとした。

 

2位

 第27回「不信」兄信幸が怒って退出したがのんびり飄々とした父昌幸。どこが受けたのか自分でもさっぱりわかりません。雰囲気だろうか。

 

1位

 堂々の第一位は第30回「黄昏」より。寺島進演じる出浦昌相が敵の刺客の変装を見破る超かっこいい場面だったが、自分にかかるとどこまでもしょうもないツイートになった。こんなに受けるとは全く予想できなかった。

 

おまけ

そこそこリツイート&ファボされたものを適当に並べます。ちなみに全部はツイログから見られますが、800以上ある上に結構壮大にすべっているので、物好きな人にお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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特にオチもなく終了!

 

 

 

 

ユアタイム「この世界の片隅に」全文おこし

12月2日(金)のフジテレビ「ユアタイム」で『この世界の片隅に』が特集されました。

www.fnn-news.com

*1

出演 市川紗椰(メインパートナー) 風間晋(コメンテーター)竹内友佳(マルチパートナー)

 

(竹内)続いてはある映画についてお伝えします。

*1:おこしてから気づきましたが公式にも文章化されていました。ただ作成中に注釈を入れたのでここに残します。追記 公式から消えてしまったようなので、ここに残し続けたいと思います。

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浜村淳『この世界の片隅に』を語る~

毎日放送のラジオ番組「ありがとう浜村淳です」11月30日回の『この世界の片隅に』部分を文字おこししました。

※映画本編の内容にドカン、ドカン、ドカン! 触れています。未見の方はご注意ください。

ありがとう浜村淳です (11/30) - YouTube

 

 

浜村 昨日メッセージをいただきましてね。

「浜村さん、『この世界の片隅に』をまだ紹介してない。早よ紹介せえ、やれ! 今日せえ明日せえ明後日はやれ!」とそういうお便りをいただきました。
鳥居 ああ。そうですか。


浜村 毎日放送のお隣、ロフトの地下でね、上映中なんです。うちの番組の藤井ディレクターが3回も4回も行ったんですって。
鳥居 え、ほんとに。
浜村 ほんとに。行くたんびに満席で、入れなかったんやそうです。
鳥居 今ねえ、SNSで、すごい盛り上がってるというのかな、すごい話題になってるんですよ、今。
浜村 藤井ディレクターはあの背の高い体をね、七つ八つに折って「是非入れてくれ」言うたそうですが…。
鳥居 ああ、七つ八つに折っても、大きいからねえ。ちょっと無理やねえ。
浜村 今向こうで居ってますけどね、居っても大きい。「あんたみたいに大きい人はねえ、満員の映画館にはちょっと無理です」と言われて行ってないんです。わたくしは見てるんですけどもね、これ実は鳥居さん。
鳥居 はい。

 

浜村 こうの史代さんという方がお描きになった……、アニメなんですねえ。それをね、片渕須直さんという監督。脚本も監督も兼ねまして、何としてでも映画にしたいと。…お金がないんです。
鳥居 ええ。
浜村 つまり大手の映画会社が乗ってくれないと。そこで一般の皆さんに資金を、制作費を募集したんです。そしたら三千万円以上集まったそうです。これでねえ、映画できた。ひじょうに、よい出来です。ただ宣伝する余分のお金がない。
鳥居 そうですねえ。

 

浜村 だからテレビのコマーシャル、出たかな? 一遍も出てないんじゃないですか。これね、ここにすずさんという十八歳の少女が居りましてね、画がものすご綺麗です。リアルです。

すずさんね、十八歳でね、自分がまだ気持ちも決められないうちに昭和十九年の二月、広島県呉にお嫁に行ったんですよ。相手は日本の海軍の軍人の一人でね、呉の港が戦艦大和を建設中だったそうです。見知らぬ土地でね、北條という男性、親も小姑もみんな一緒の暮らしです。

そこですずちゃんはね、懸命に懸命に尽くしましてね。洗濯、炊事、お掃除。まずね、近くの共同井戸へ行って、いっぱい水汲んで。朝早いですよ、四時五時からね、それから一日が始まるんです。ずいぶんね、嫁ぎ先のために尽くしました。

そしたらね、夫の姉が、よそにお嫁に行ったその姉が義理の姉ですね、小姑ですね。小さなこどもを連れて出戻りしてくる。よけい嫁としてはやりにくいじゃないですか。

鳥居 うん、うん。
浜村 それでもね、食料のないころは一生懸命工夫して工夫してね、ええ嫁さんですよ。またすずちゃんの声をね、のんってわかりますか。
鳥居 はい。

 

浜村 能年玲奈をね、監督が「あまちゃん」観ていて声に惚れ込みましてね。ぜひこのすずちゃんの声やってくれ言うて引っ張り出したんですよ。で、主人公のすずちゃんはある日ふと道に迷ってね、遊郭に迷いこんで遊女の若い女の子の辛い境遇を知ったりね。

また軍艦に乗ってる水兵さんに出会う。その水兵さんが小学校の同級生なんですね。太平洋戦争の真っ最中の、あの怖い怖い、絶えずアメリカの飛行機が飛んできて爆弾落としますね。物がない時代です。すずちゃんが工夫して家族のために色んな食料を工夫して、みんなが喜んで食べられるようにしたり。着るもんもないから、古ぅくなった着物や洋服を直したりね。よい嫁ですよ。

 

こんなすずちゃんが、昭和二十年三月。広島県呉はね、空が見えないほどアメリカの飛行機が飛んできてる。ドカン、ドカン、ドカン。爆弾を落としますね。命がけですよ。それでもなんとか生き延びた。そして最終、ラストシーンに迎えるのが、むっちゃん。昭和二十年八月六日、広島に原爆が落とされた日です。これによってすずちゃんの運命はどうなったか。これはもうロフトの地下にある映画館が何回行っても満員になるほど、感動の作品になってますね。
鳥居 ええ。そうですか。
浜村 『この世界の片隅に』。まず画が実にリアルでうつくしい。そこへすずちゃんの姿が、いじらしいほどかわいらしいほどよくできた、若い嫁ですよね。十八歳、十九歳の嫁やります。で、観てね、感動の涙が止まらないくらいです。いつまでやってるのか、そこまで確かめておりませんが。
鳥居 また後で調べてみましょう。
浜村 そうですね。毎日放送のお隣、ロフトの地下でやっておりますんで、ご覧ください。また戦争というものにね、改めて考えさせられます。

 

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続編もあるのです。

an-shida.hatenablog.com

ムービーウォッチメン『この世界の片隅に』全文

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル内の名物コーナー

ムービーウォッチメンで「この世界の片隅に」が取り上げられました。

 (水曜日頃には公式におこし文が出ると思います)

 ※注釈のカット番号はコンテ集によっています。またわかりやすいように文章を調整しています。

 

この世界の片隅に

マンガ家こうの史代の同名コミックを『マイマイ新子と千年の魔法』などで知られる片渕須直監督がアニメ映画化。第二次世界大戦下の広島呉に嫁いできた18歳の女性すずが慎ましく逞しく懸命に暮らす姿を描く。ヒロインすずの声を演じるのは能年玲奈から改名したのんさんということでございます。

 

公開して以降、この番組にもやれやれというメールをいっぱい頂いておりまして、評判も非常に高く劇場もいっぱいだということを聞いておりまして。ようやく古川耕さんが「1万円なら安いもの」という名言を残してですね、偶然にクラウドファンディングを引いてしまったわけですが、当てさせて頂きました。

 

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虚報タイムスのピアノ記事が見事だった。

twitterで回ってきたこの記事があまりに素晴らしかったので少し書いてみたい。

ジョン・ケージ4分33秒という全く音の出ない曲(と言えるかどうか)が演奏されなかったという記事。

要するに観客が「4分33秒」を知らず、音が出ていない時間があった=演奏していた、ことに気づかないで怒るという、ジョーク記事だ。

だが、この記事は実に周到だった。

解説を入れてみたい。

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